昆虫の眼

昆虫の眼と人間の眼の仕組みは相当違っています。
昆虫が見るための主な器官は複眼です。
複眼はたくさんの眼が集まっています。
トンボの眼は大きいので、虫眼鏡で見るとよく分かります。
たくさんの眼の方が視力が良さそうに思いがちですが、実際には広い視野を確保するためと言ってもよいでしょう。
複眼を構成する一個一個の眼に映る情報は少なくて、テレビやパソコン画面の画素一個みたいなものです。
昆虫の複眼を別のものにたとえてみると、画素数のとても少ないデジタルカメラでしょうか。
写した画像を拡大コピーすると絵が荒くなってしまう。
植物のランの中には、ある種のハチのメスに花を擬態させてオスをおびき寄せて一時的に羽交い締めにして受粉させるものがあります。
人間の眼にはそのランの花はハチには見えません。
つまり、人間の感覚からすると、昆虫の視力は悪いと言えるでしょう。
ただ、昆虫の眼が普通のカメラより優れているところは、魚眼レンズのように広い空間を把握できることです。昆虫は、すばやく天敵を見つけやすい。
すばやくエサを見つけやすい。
それからチョウなどは紫外線が見えていて、その能力を使って花を見つけやすかったり、オスとメスの区別をつけたりします

昆虫の翅

昆虫の羽は、生物学の専門用語では翅と表記され、成虫のみが使用可能な器官です。
そのため、成虫になる時の脱皮を特に羽化というくらいです。
昆虫の翅は、胸部の背面から突き出している。
昆虫の胸部は三節あり、それぞれ一対ずつの歩脚があるが、翅は第二節と第三節の背面から一対ずつ出ます。
したがって、昆虫の翅は、脊椎動物の翼に見られるような、前足の変形ではありません。
翅があっても歩脚の性能は変わりません。
飛行可能な脊椎動物(鳥類やコウモリ)が、その代わりに歩行能力を大幅に制限されるのとは異なり、昆虫の多くは十分な歩行能力をもっています。
このような翅のあり方をもつのは昆虫以外では、空想の産物である天使や烏天狗などにしか見られません。
地球の歴史上、地上で初めて飛行をするようになったのも昆虫だと言われています。
昆虫の翅は、背中の外骨格が薄く伸びたもので、キチン質でできています。
膜状に広がった翅を支えるために、太くなったキチン質の筋が葉脈のように翅に広がる。
翅脈の配置などは、分類上重視される。
翅の表面には毛や鱗が並ぶこともあります。
小型の昆虫では、翅の周辺に並ぶ毛が、翅の面積を稼いでいます。

昆虫のカテゴリ

昆虫類または昆虫は、節足動物門に属する動物のグループのひとつです。
分類上は、昆虫綱と呼ばれます。
一般には単に虫と呼ばれることが多いですが、虫という言葉はクモ類など昆虫以外のものも含んでいます。
昆虫のカテゴライズは現代に行われたので厳密には重なりません。
漢字の虫は本来、毒蛇:マムシを型取った象形文字ですが、蛇など、爬虫類の一部や、両生類、環形動物などまでを含めた広い範囲の生物群を指す蟲の略字として使用されています。
昆虫類は硬い外骨格をもった節足動物の中でも、特に陸上で進化したグループで、ほとんどの種が陸上で生活し、淡水中に生活するものは若干あるものの海中で生活する種は例外です。
ほとんどの昆虫が2対の翅をもって空を飛ぶことができます。
空を飛んだ最初の動物は、昆虫だとされています。
昆虫の翅の構造は、グループによって様々に特化し、彼らの生活の幅の広がりに対応しています。
地球の歴史上、陸上に初めて登場した動物が昆虫類を含む触角類です。そして地上で昆虫が成立した。
脊椎動物門の両生類よりも早いとされています。
生活様式、形態は非常にバラエティに富んでいます。

昆虫の身の守り方

原野に暮らす生き物たちは外敵から自分の身を守るためにさまざまな方法を使います。
小さくて弱いアブラムシはアリの仲間を使います。
アリが甘い物を好む習性を利用したものです。
おなかの先から出す甘いみつでアリを呼び寄せ、テントウムシおいはらってもらいます。
アリは甘いみつを出してくれるアブラムシに近付く昆虫をおいはらいますが、不思議なことにアブラムシを襲って食べることはありません。
この様子はアリがアブラムシを飼育しているようにも見えます。
 テントウムシも野鳥などの外敵から身を守る必要があります。
テントウムシは捕まると苦くて独特のにおいのする黄色い体液を出します。
背中の模様を見せることでまずい虫であることを知らせているのだと考えられています。
この体液は主にテントウムシの脚の関節から出されますが、味やにおいだけではなく脊椎動物にとって有毒な物質を含んでおり、防御効果はてきめんです。
原野では常に食べる、食べられるという生き物たちの関係があり、その巧みな関係は小さな虫たちの世界によく見られることができます。

昆虫の変態

多くの昆虫は、成長するにしたがって姿を変えますが、これを変態と呼んでいます。
チョウや甲虫の仲間は、卵から幼虫になり、やがて蛹の期間のあと成虫になりますが蛹の期間があるものを完全変態といいます。

バッタやセミのように、卵から幼虫、成虫と変化し、蛹の期間がないものもいます。このような変態を、不完全変態と呼んでいます。
不完全変態には、バッタのように幼虫と成虫が同じような環境にすみ、姿も似ているものと、トンボのように、幼虫と成虫ですむ場所や姿が全く異なるものがいます。
多くの昆虫が変態をしますが、幼虫から成虫まで同じような姿をしているものもいます。このような昆虫は、無変態と呼ばれます。
進化の過程で、無変態の昆虫から不完全変態をする昆虫へ進化し、さらに完全変態をする昆虫へ進化したと考えられています。
昆虫の翅は、鳥やコウモリの羽とは全く違った構造をしています。
鳥やコウモリの羽は、骨格から分かるように、手が進化した器官です。
これに対し昆虫の翅は、体の表面の皮が延びてできています。
翅には、翅脈と呼ばれる筋があり、昆虫の各分類ごとに配列が違っています。
翅脈は翅の強度を支える役目をしています 翅を持つ昆虫には多くの仲間がありますが、それぞれに翅の様子は異なっています。
カゲロウやトンボの仲間は、翅を上下に動かすことしかできません。
止まる時も上に立てるか水平に広げるかのどちらかです。
これらの仲間は、翅を持つ昆虫の中でも古いタイプだと考えられます。

昆虫の移り変わり

昆虫は、われわれ人類よりもはるかに昔から地球上に生息していますが、現在見つかっている最も古い昆虫の化石は、スコットランドのデボン紀中期 のトビムシの化石といわれています。
当時の昆虫には、まだ翅をもつものはいなかったようです。
約3億年前の石炭紀になると、翅を持った昆虫が現れます。
鳥類も翼竜もまだ現れておらず、空中という空間を利用できたのは昆虫だけでした。
翅を得たことで、昆虫の移動範囲は広まり、他の生物が利用していなかった環境に進出する事ができました。
その結果、様々な環境に適応した多くの種が生まれ、昆虫の種類は増加しました。
現在ではいくつかの仲間は絶滅していますが、化石からも分かるように、古生代の頃の姿とあまりかわらない姿で、現代に生き続けています。
様々な環境に適応する昆虫は、環境にあった体の構造をしています。
水中でくらす昆虫の仲間にゲンゴロウがいます。ゲンゴロウの後脚には、長い毛があり水中を進むのに適した構造をしています。
水中で息をするために、翅の下に空気をためることが出来ます。
昆虫によって食べる餌もそれぞれ違っています。

昆虫の種類

昆虫の特徴の一つに、種類の多さがあります。
昆虫は地球上のあらゆる環境に適応して生活しています。
地球上には多くの生物が暮らしていますが、そのなかで昆虫は100万種類以上が知られており、全生物種の約6割を占めています。
いまだに発見されていない種も多く、毎年多くの種が新種として発表されています。
種類と数の面では、地球上で最も繁栄している生物は昆虫であるともいえます。
なぜ、このように多くの種類がいるのでしょうか。体の小さいことがあげられます。
カブトムシやナナフシ、チョウの仲間などには、大型の種類もいますが、ほとんどの昆虫は小さな体をしています。
小さいことで、生活するために必要なスペースが狭くてすみます。
また、種類によって食べ物を変えることで、同じような環境でもいくつかの種類が暮らすことが出来ます。
成長が速いことも多くの種類を生むのです。
速く成長することで、世代の交代も早く進みます。
そのため、成長の遅い生物に比べて短い時間で進化することができます。
このようなことから、昆虫の種分化が進み、現在多くの種類がいると考えられています。

6本足の昆虫

昆虫とは、とあまり詳しくない人でも脚が6本ある生きもと思い浮かぶのではないですか。
確かに6本の脚をもつものは昆虫ですが、昆虫は全て6本脚かといわれるとそうではないものもいます。
たとえばハエ目ユスリカ科の幼虫は胸部と腹部の端に擬脚と呼ばれる脚のようなものが2対ずつ4本しかないのです。
さらにハエの幼虫ウジムシには全く脚がありません。
また成虫でも、タテハチョウ科の仲間は前脚が退化し、着地や歩行には全く使用されず、4本脚のチョウと言われることがあります。
では昆虫の定義はなんなのでしょうか。
昆虫の体は頭部・胸部・腹部の3つの部分に分かれています。
さらに胸部は前・中・後の3つに分かれていて、脚はそれぞれに1対ずつ、計6本ついています。
胸部には4枚の翅が付いています。
これにも例外があって、双翅目には読んで字のごとく2枚の翅しかありませんし、アリは翅を持ちません。
また、原始的なシミの仲間は全く翅を持ちません。
しかし、例外をあげるときりが無いので昆虫とは体が頭部・胸部・腹部からなり、胸部には節のある脚が3対6本と2対4枚の翅をもつ生きものということです。