昆虫標本の方法
昆虫標本は、針を刺して箱に収めます。
針は専用の昆虫針という物があり、太さも各種そろっています。
大気の乾燥したヨーロッパでは伝統的に鋭い鋼鉄製の黒針が多く使われてきたが、湿潤で鉄の錆びやすい日本では鋭さでは鋼鉄製に劣るものの、錆のリスクがないステンレス製の針が使われています。
針を刺す位置は、チョウ、ガ、ゴキブリなどを除くと正中線上の形質を破壊しないように胸の中程の右側寄りとするものが多いです。
針の刺せない小さな昆虫は、厚紙や厚手のケント紙を小さく三角形に切り出し、その先端に接着剤で止め、その台紙に針を通す。
接着剤には日本では古くはアラビアゴムに類似したトラカントゴムが使われてきたが、今日では酢酸ビニルエマルジョン系の接着剤を使うことが多いようです。
ヨーロッパでは伝統的に膠が使われ、標本の精査用に台紙から取り外すときに湯で簡単に溶かすことができるため、近年になって日本でも使用者が増えてきている。
小さな紙に採集年月日、採集地点、採集者などのデータを記入し、標本を通した針に刺してその下につける。このデータラベルが欠如した標本は学術的価値が失われてしまいます。
場合によっては名前等を記したラベルをさらに追加します。
同定により判明した学名、和名、同定者、同定年月日などを記したラベルを同定ラベルと呼び、研究の進展や誤同定の訂正によって新たな同定ラベルが付されるときは、その標本の研究履歴を明らかにするため、古い同定ラベルをはずさずに、新たな同定ラベルを加えるのが研究上の約束事となっています。