昆虫採集家の論評
以前昆虫採集のために貴重な昆虫が絶滅する、と言う論が行われたことがあります。
そのような場合、昆虫採集家は、大規模な環境破壊、たとえば森を切り崩しての土地開発の方が遙かにひどいものであり、多くの貴重な昆虫の減少の原因はそこにある、
人間が捕まえる量はたかが知れていて、すぐに再生するものだという風に言い返すのが常でした。
これは確かにその通りで、普通に捕まえる限り、普通の昆虫は減少するものではありません。
しかしながら、熱狂的なマニアの中には、普通でない昆虫に対して、普通の捕まえ方をしない人もいます。
たとえば、産地が限定されているチョウの幼虫を捕るために、食草の樹木を切り倒したとか、某島に特産の大木の洞にだけ住んでいるコガネムシを捕るために、チェーンソーで洞を切り広げて生活場所である腐植の堆積物を全部掻き出したとか、とんでもない話が報道されているのみならず、現実に行われた実態が保全生態学の研究者からも報告されています。
このような人物にとっては、目的の昆虫の数が減ることは、手元の標本の希少価値が高まるのでうれしいらしいです。いくら昆虫採集とはいえ、節度は守るべきですよね。
また、環境破壊により極端に生息数が減少した昆虫の中には全国から愛好家が集中して採集を行うこと自体かなり強い圧力になってしまうものも現れています。